そろそろ時効だろうか。
欲しくて欲しくて購入したMakro-Planar 2/50を売却した理由。それは「香水」だ。
天国から地獄
当時、私はMakro-Planarを買えば幸せが来ると思っていた。
もうこれさえあれば他にレンズ要らないって思えるんじゃないか?と。
しかし、中古市場にはなかなか出回らない。
毎日毎日ネットで検索し、そしてやっとの思いで購入できたわけである。
※イメージ画像。私はこんな怖くない
嫁さんが寝静まるまで、送られてきたダンボールを開けるのを我慢した。
そして待ちに待った深夜、匣を開けた。
「...香水臭ぇ」
※イメージ画像。森の香りをイメージ
部屋中が香水臭くなった。
玉手箱を開けたような気分だ。
嫁さんが寝静まった間に、女性を連れ込んでしまったような背徳感。
夜中に私が何をしていたのか説明がつかなくなった。
ねぇ、これ何なの?
ほのかに香水の香りがする感じじゃない。
明らかに香水を掛けている。
手首に付けようとして、間違えてレンズにかけちゃったの?
ウッカリさんなの?
以前も「推定50歳男性・既婚」の匂いが染み込んだカメラケースを購入した。
タバコも嫌だが、香水だって嫌だろうよ。
しみこむ、しみこむ、しみこむ
ああ、これはダンボールだけが臭いんだな?
と慣れないプラス思考で考えたが、開けても開けても開けても臭かった。
行き着いたレンズは素晴らしく美品であった。
それだけにガックリ感がパネェ。
そしてレンズを覆うビニール袋にも染み込んでいた。
とりあえず、ビニール袋を洗ってみた。
レンズのビニール袋を洗う人は2020年で私が初だろう。
しかし取れない。
カルボキシル基のような官能基レベルに臭いが結合している。
完全に染み込んでいる。
箱も、発泡スチロールも、ビニール袋も、レンズも。
つけ置きしたの?
しみこむ、しみこむ、しみこむ、しみこむ
和久井映見の資生堂リシェールCMが反芻する。
別の女の匂い
しかし、レンズは使いたい。
だって使いたいんだもん。
Sony α9にMakro-Planarを装着し、防湿庫に鎮座させていたのだが、防湿庫を開けるたびに香水の匂いがする。
防湿庫から不倫疑惑である。
しばらくすると防湿庫の他のレンズにも匂いがついてきた。
もう無理だと思った。
輪廻
んで、結局売却した。
いつかこのレンズを買う人は同じ思いをするかもしれない後ろめたさもあったが、そもそも私も被害者である。
前オーナーを恨みたい気持ちもアリアリの有りだけど、前オーナーもひょっとしたら被害者かもしれない思うと同情してしまう。
手放してしまったMakro-Planarだけど本当は再び入手したい。
しかし因果応報、またそのレンズが回り回って私の元に帰ってきそうで怖くて買えない。
もし買うなら、近くのカメラのキタムラで中古品を取り寄せて匂いを嗅いで買いたい。
クンカ、クンカ嗅ぎたい。
まず最初にレンズの匂いを嗅ぐ客は、キタムラ店員も経験したことないだろう。