先日、見知らぬ電話番号から着信がありました。
電話に恐る恐る出てみたところ、先日オールドレンズの修理を依頼した業者(個人)さんからでした。
職人だって「生の声」がモチベーションになる
一体、なんの要件だろう??と正直緊張しました(笑)
送付したレンズの状態を簡易分解してみたようで、その内容の説明でした。
やはり絞りに関する部分のバネ?が固着しているようで、なかなか難しい修理になるっぽい。
でも、今までの経験からなんとか直せるでしょうという返事をいただきました。
私の所有しているFlektogon 35mm F2.4は第3世代のものです。
初期型・前期型・中期型・後期型とあるなかで私のは製造番号によると前期型で1970年台後半のものと思われる。
もう40年くらい経過したものだから、固着の補修は難儀なものだと推測できます。
そのあと
「どうして数あるリペア業者の中で、私を選んだのでしょうか?」と聞かれました。
質問に対する答えに少々窮してしまいました。
確かにかなりのリペア業者(個人)があったのです。
その中で迷いもそれほどなく決めたわけですが、理由を言葉にするのが難しい。
サイトを見る限り、派手さはないけど「真面目そうで、変に商売っ気がない」そういう愚直な感じに安心感を感じていたのです。
変に気を悪くさせたら申し訳ないなぁと思いながら、嘘をついても仕方がないので正直に言いました。
そして、サイト内に書かれていた「オールドレンズに魅力を感じ、趣味が高じて修理をするようになった」という記述。
その文を読んで「きっと大事に扱ってくれるんだろうな」という気持ちもあったと伝えました。
「モチベーションに繋がります。ありがとうございます」
Flektogon 35mm F2.4
「あと、もう一つ。なぜオークションで買い替えず、あえて直そうと思ったのですか?」と質問されました。
正直いうと、この数ヶ月の間にオークションで良さそうなFlektogon 35mm F2.4をずっと探していました。
でも、オークションの商品説明には良いことが書かれていても「実際の状態」は悪いこともある。
オールドレンズということもあり個体差があるだろうから必ずしも同じような描写をしてくれるとは限らないし・・と思ってなかなか落札できずにいました。
それに高いし(笑)
私が好きなのは、現在所有しているFlektogonなのです。
このレンズの描写が好きなのです。
という旨を伝えました。
電話口の向こうの彼は嬉しそうに聞いてくれました。
私は今までカメラやレンズを数多く売ったり買ったりしてきたのですが、このレンズは壊れても手放すことはしませんでした。
絞りが効かず、開放しっぱなしですがそれでも好みの絵を描写してくれるんです。
10分弱ほど電話で話をし、改めて「よろしくお願いします」とお伝えしました。
約1〜2週間ほど掛かるようです。
もし、今回修理がうまくいかず、開放の状態のまま戻ってきたとしてもそれでもいいかなと思いました。
それはそれで運命(寿命)だと思ってるし、わかった上で使い続けたい。
オールドレンズは物語を紡ぐ
オールドレンズで、人との繋がりを感じることが出来たことが嬉しい。
この40年の月日の中で、このFlektogonは様々な人に渡ってきただろう。
私とほぼ同年代のFlektogon。
こうやってレンズを通して、人と人が関わりあうのは面白い。