約10年前
静岡へ引っ越しする前に嫁さんから「クラリネット、もう使わないから処分しておいて」と言われ、正直困ったことがありました。
クラリネットを処分する方法がわからない
楽器というものが、我が人生において全く関わることがなかったので処分方法がわからない。
もちろん、埋め立てゴミなどに出せば良いのだろうけど、結構キラキラしているので勿体ないと思っていました。
売ろうにも「人が使った楽器(特に吹奏楽)」なんて買う人がいるとは思えない。
例えば、人が使ったリコーダーなんて、余程可愛い子が使っていたものでないと興味がない(笑)
そもそもヤフオクのようなオークションだと、「女性が使ってました」と書いていても「嘘だ」と思ってしまう。
そもそも、女性だとしてもピンからキリ(笑)まであるものだ。
楽器屋さんに売るにも、私自身に楽器の知識がないので「こんな安物楽器を売りに来たんですか?」と失笑されるのも恥ずかしい。
散々迷った挙句に、捨てるよりも1000円くらい値がつけば嬉しいからという思いでヤフオクに出品した。
数日間で1000円を超えた
出品して数日は全く入札が無かった。
型番を記載して、写真をざっくり撮って、「誰か練習用にどうでしょう?」みたいな記載を書いただけ。
他の人の出品で値がついてる人は数万円くらいのものがあるものの、私の嫁さん所有物に高値がつくとは思えない(笑)
そもそも高校時代に2年くらい使っていただけの代物である。
練習をほとんどしていなかったようで、とても綺麗なままだけど。
しかし、オークション終了まで24時間を切った時に1000円を超えた。
嫁さんに「1000円超えた!手間賃として貰っていい??」と聞いたところ、「どうぞ」と。
目標は5000円だ。欲が出た。
恐怖の入札ラッシュ
しばらく放置。
あと数時間という時に、何の気なしにサイトをチェックした。
数万円になっている・・・。
あれ?おかしいな??
誰かが変に値段を釣り上げて、最終的にトンズラしようとしているのか?と思ったものの、10人くらいが競っている。
嫁さん:「今、いくらくらいになった?」
私:「5000円くらい・・・。」
嫁さん:「すっごーい!」
本当は数万円。怖くなったのでパソコンを閉じた。
恐怖は続く
終了まで30分前の頃、恐る恐るパソコンを開いた。
10万円を超えている。
人が使っていた吹奏楽器の中古なのに・・・。嫁さんがアイドルなら違う意味で釣り上がるのはわかる(笑)
でも普通の主婦である(当時は共働きだけど)。
入札が止まらない。
20人くらいで争っている。
ごめん。ごめんよ。多分みんな勘違いしている。これ捨てようと思っていた楽器だよ?
楽器怖い!
恐怖の落札額
オークション終了時間になっても延長して争っている。
最終的に180,000円になって終了した。
当時、へそくりで6桁を超えたことがないので、突然の大金に怖くて仕方がなかった。
嫁さん:「どうよ?」
私:「・・・5000円くらいで終了」
嫁さん:「売って良かったね」
売って良かった。っていうか郵送して、落札者からクレーム来ないだろうか?
数日後に落札者から連絡が来た
大金が口座に振り込まれていた。
そして落札者からメールが届いていた。
「現在、高校で吹奏楽をしています。クラリネット大事に使います。ありがとうございました」
うろ覚えだけど、こんな感じのメッセージだった。
とりあえず、クレームでなくてホッとした。
何かの「限定モデル」と勘違いしていないかヒヤヒヤした。
後から知ったのだけど、楽器って値落ちがほとんどないらしいですね。
「楽器は資産になる」って中学の担任が言ってたのを思い出した。
でも、楽器の売却は精神衛生上あまり良くない。
嫁さんには、未だにこの事を話していない。遺言に書くかもしれない。